JTの高配当株としての評価は次のとおり。
配当 | |
配当の推移 | |
配当性向 | |
優待 | |
営業利益率 | |
自己資本比率 | |
安定性 | |
将来性 | |
目標株価 | 3,233円 (目標配当利回り6.0%) |
ポートフォリオの安定枠にしたい銘柄。将来性が低いので、比較的短期(5〜10年程度)での組み入れを考えても良い。
JTは安定性が随一の食品セクター銘柄。
国内タバコメーカーでは圧倒的なシェアを誇り地位を脅かす競合も少ない。一定の地位を築いているため、当面は安定配当を期待できる。
一方で将来性は低い。
タバコは斜陽産業であり、実際に営業利益率は右肩下がり。タバコ以外の売上は少なく、時代の流れに追いついていない。
どんな会社なのか
JTは、130以上の国や地域で展開するタバコメーカーで、スイスのジュネーブに本社がある。
コロナ禍やリーマンショックでは景気が悪化し、贅沢品であるたばこの需要が減少、株価にも大きな影響を受けている。しかし、長期的にみた場合は上昇を続けている。
JTの適宜開示資料は以下のとおりだ。
JTは利益の99%をたばこが占める。日本以上に、台湾や英国などでのシェア率が大きく、海外で利益を稼いでいるグローバルな企業だとわかる。
JTの株主還元
予想配当利回りは5.04%と高水準。
配当は基本的に右肩上がりに推移しているが、2021年にはコロナ禍の影響により減配している。
配当性向は70%以上と異様に高い。後述する配当方針によるものだが、過去には減配も実施されているため、必ずしも盤石とは言えない。
配当方針は次のとおり。
・強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指す
・資本市場における競争力のある水準として配当性向75%を目安
自社株買いに関しては定期的に実施されている。
優待は実施されていない。
財務分析
①営業利益率
予定営業利益率は21.49%と高水準。
ただし、近年は右肩下がりの傾向にある。将来的に利益率が落ち込めば、高い配当性向を維持することができなくなり、減配が続くリスクがある。
②自己資本比率
自己資本比率は52.6%と一般的。
他の年もほぼ同水準で推移しており、投資をしながらも内部留保をしっかり確保している印象。
JTは今買い時なのか
今は買い時ではないと考える。
参考までに、過去配当利回りは2.27〜7.33%となっており、最低でも配当利回り6.0%以上は狙いたいので、目標株価は次のようになる。
1株あたり配当194円 × 100 ÷ 6.0% = 3,233円
現在価格は3,901円で、割高と言わざるを得ない水準だ。
続いて株価指標を見ていこう。
PER・PBRいずれもここ数年で見ると高め。
PER・PBRがここ数年の平均に戻ったら少し買い増し、あとは理想配当利回りになるまで下落のタイミングをじっくり待つのが良い投資戦略だと言えるだろう。