日本コンセプトの高配当株としての評価は次のとおり。
セクター | 倉庫運輸関連 (資本財) |
配当 | 4.70% |
配当の推移 | (13年連続増配) |
配当性向 | |
優待 | 500株以上で3,000円相当の商品カタログ |
営業利益率 | |
自己資本比率 | |
安定性 | |
将来性 | |
目標株価 | 〜1,700円 |
ニッチ分野で活躍する銘柄。独自の強みを持っており利益率が非常に高い。優待もあるので優先的にポートフォリオに組み込みたい。
日本コンセプトは利益率の高さが特徴。液体輸送という他社にはなかなか真似できない強みがあり、価格競争にならないことが要因だろう。今後を考えても、そう簡単に需要が潰えることはなさそうだ。
優秀な銘柄だが、現状買いタイミングは難しい。
というのも、2024年12月期では大幅増配を予定しているからだ。すでに株価には織り込み済みだし、下方修正となれば株価下落のリスクもある。
長期保有できるポテンシャルがあるから、少しは買っておいても良いが、本格的な買いはもう少し様子見したようがよさそうだ。
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日本コンセプトはどんな会社なのか
日本コンセプトは「ISOタンクコンテナ」を用いた、いわば液体輸送を行う会社。
液体輸送、保管や精製・分解、さらに排水処分、コンテナのリースやメンテナンスなど業務範囲は幅広い。いわば「物流手段のない物流会社」として有名。
危険物を扱うためノウハウが必要で、競合参入はそう簡単にはできない。ニッチ分野で収益性を高めている企業だ。
日本コンセプトの株主還元
配当利回りは4.70%と十分に高め。
配当推移は、キレイに右肩上がりとなっている。配当性向も低い水準であり、営業利益率も安定して高いため、まず減配・無配に陥る心配はないだろう。
優待も実施しており、グルメカタログを受け取れる。とはいえ、優待の対象となるのは500株以上であり、ハードルは高いと言える。
500株以上・継続1年以上 (約90万円) | 3,000円相当の商品カタログ |
1,000株以上・継続1年以上 (約180万円) | 6,000円相当の商品カタログ |
配当方針は次のとおり。
安定配当の維持を基本方針とし、収益の状況をベースに事業環境、業績見通し、更には配当性向等の諸般の状況を総合的に勘案し、利益還元を決定する。
さらに、2026年12月期までの3年間は、連結配当性向35%、下限配当60円とする。
ただし、自社株買いについてはやや消極的である。
日本コンセプトの財務分析
①営業利益率
同セクターの中では営業利益率の高さが魅力。
全ての株式銘柄を合わせても、国内株式としては非常に高水準である。参考までに、倉庫・運輸関連の高配当株で比較してみよう。
日本コンセプト | 16.09% |
住友倉庫 | 7.21% |
エーアイテイー | 8.0% |
兵機海運 | 3.0% |
東洋埠頭 | 4.04% |
営業利益率で見れば圧倒的である。
営業利益率とは、簡単に言うと企業の収益性」を表す指標である。優秀かどうかの目安はおよそ10%程度。
さらに、売上高も長期的に見ればしっかり伸びており、成長性もあることが窺える。ただ、直近は少し伸び悩んでいる印象だ。
②自己資本比率
自己資本比率も十分安定している。
自己資本比率とは、総資産における自己資本の割合であり、いわば「どれだけ備蓄があるか」を示す指標である。最低でも30%程度を目安としたい。
ここ10年程度で大幅に内部留保を増やしてきており、それでいて配当利回りも高いのだから非常に魅力的だと言える。
③配当性向
配当性向は全体的に低め。
配当性向とは、利益の中からどれくらい配当に回しているか示す数値。高すぎる場合は「無理して配当を出している」と判断できる。目安は30〜50%程度。
他の高配当銘柄と比べると、やや時期によってばらつきがあるものの、ほぼ問題ない水準だ。
日本コンセプトは今買い時なのか
少し買っても良いがそこまで買い時ではない。
日本コンセプトの過去10年配当利回りは「1.26〜3.06%」であり、そこまで高くはない。しかし、2024年12月予想では、1株配当が50円から85円へと大幅増配となる予定である。
1株配当85円となった場合、配当利回りごとの目標株価は次のとおり。段階的に買い増していくのが良いだろう。
5.0% | 1,700円 |
5.5% | 1,545円 |
6.0% | 1,416円 |
目標株価 = 1株あたり配当 × 100 ÷ 目標配当利回り
現在株価は1,810円であり、あまり買い時ではない。
続いて株価指標もチェックする。
いずれも過去水準と比べると控えめだ。
とはいえ、必ずしも予定通りの増配となるかは限らない。仮に下方修正となった場合でも、株価下落により買いチャンスが生まれる可能性もある。
現状少し買っておき、買い増しは次の決算まで待つべきだ。